開発時のコンセプト構築あるいは大規模改修のともなう再生時のコンセプト再構築は必要不可欠ですが、「ホテルコンセプト」とはどのような意味で、どのような手法で創り上げるかを記述します。立地環境・競合他社等の普遍的要素を踏まえ、目指すホテルを検討し、多業種・多機能で構成されるホテルの価値やイメージを創りあげるものがコンセプトです。ここで簡単にコンセプト創りについて考えてみます。
1.先ずは、目指すホテルの全体イメージを表すコンセプトを作ります。イメージに合致するキーワードやキャッチコピーを制限なく抽出し、選定することで明確にします。これが市場へのイメージ付けとなる部分です。つまり具体的固有名詞や対象を明確にする言葉ではなくて、イメージを想像できる言葉です。
2.ホテル全体のイメージを表すコンセプトが出来たら、次に施設構成(機能)の設定を行います。コンセプトを踏まえて、ゲストに対して空間提供する機能を確立します。これがホテルの利用目的、市場ターゲットの明確化、或いはアピールを行うものになります。
3.その次に、ゲストに対する印象付けを行うデザインコンセプトを確立します。デザインそのものはデザイナーに頼ることとなりますが、前項1、2のコンセプトを分かりやすく説明しデザイナーに目指すホテルのイメージを理解してもらう必要があります。そのために、場合によってはゲストがホテルを利用した際の各シーンを文書化して説明することも考えます。また、前項2において、オペレーション戦略等を考慮して施設毎のコンセプトを創った場合は、施設毎のデザインコンセプトを明確化する為に、1同様にキーワードやキャッチコピー、またはシーンのイメージを文書化してデザイナーに理解して頂きます。注意点は、施設ごとのコンセプトが1のホテルコンセプトから逸脱しない事です。従って1で抽出または考案した多数のキーワードから選出、組合せ、又は関連できる言葉によって構築することをお勧めします。
かなり省略させていただきましたが、この3項目手順によるコンセプトブックの作成が重要です。このコンセプトブックこそが「ホテルコンセプト」の確立です。
つまり、市場におけるホテルのポジショニング、マーケッティングセグメンテーション、空間商品が一体化されて「ホテルコンセプト」となるわけです。
このコンセプトの精度が、ホテルの付加価値・ゲストの評価・オペレーションスタイル・価格政策等に影響を与えます。
次回は、ホテルコンセプトⅡ として、是非の具体例を挙げて検証します。
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