驚きました!日本企業によるフィリピン マニラでの巨大カジノリゾート開発が進んでいました。長文ですが、以下 全文をロイターからの引用でコピペします。
パチスロ機メーカーのユニバーサルエンターテインメントが、フィリピンのカジノ規制当局首脳の側近に不正な資金提供をした疑いがあるとして、米国のカジノ規制当局が調査に乗り出していることが明らかになった。
ユニバーサルは、日本企業として初めてフィリピン政府の認可を得て、マニラで巨大カジノリゾートを建設中だが、資金が流れた2010年は同プロジェクトに対する外資規制の許認可や、用地取得のトラブル解決を規制当局に働きかけていた時期と一致している。米国調査の行方次第では、ユニバーサルが米国で持つカジノライセンスや、フィリピンの事業そのものに影響する可能性がある。
調査を始めたのは、米国カジノビジネスの中心地・ラスベガスに本拠を置き、カジノ事業の監督をしているネバダ州カジノ規制委員会(NGB)。関係者によると、日本などに調査員を派遣し、ユニバーサルの岡田和生会長(70)が経営する子会社から、フィリピンでカジノ事業を監督するフィリピン娯楽賭博公社(PAGCOR)のヘニュイーノ会長(当時)の側近で、公社のコンサルタントを務めていたロドルフォ・ソリアーノ氏に流れた資金の詳細を調べている。
複数の関係者によると、NGBの調査とは別に、ユニバーサルの元社員2人が米連邦捜査局(FBI)に対し、ソリアーノ氏への送金について証言している。米国は米企業による海外での贈賄行為を禁じており、ユニバーサルの現地子会社アルゼUSAも捜査対象になる可能性があるが、FBIが本格的な調べに進んでいるかどうか現時点で不明だ。FBIの広報担当者はコメントを拒否した。
ユニバーサルの送金書類や会計書類によると、ユニバーサルからフィリピン側に流れ出たとみられる資金の総額は4000万ドル(約32億円)。このうち500万ドルは2010年5月、米国の子会社アルゼUSAからソリアーノ氏の関連企業に送られていることが分かった。送金ルートは、アルゼUSA日本支社が持つ三菱東京UFJ銀行の外貨預金口座からユニバーサル社員名義の香港企業「フューチャー・フォーチュン」のHSBCの口座を経由、ソリアーノ氏が経営する「ピープルズ・テクノロジー」のHSBCの口座に振り込まれた。
関係者によると、フューチャー・フォーチュンは従業員が1人もいないペーパーカンパニー。ピープルズ・テクノロジーはソリアーノ氏が経営しているということ以外、登記簿を見ても活動の目的や実態が分からなかった。
残りの3500万ドルは、2010年1月─5月に複数回に分けて、タックス・ヘイブン(租税回避地)として知られる英領バージン諸島の「スービック・レジャー・マネジメント」という会社に支払われている。いずれもアルゼUSAから香港のフューチャー・フォーチュンを経由している点で、先の500万ドルの資金流出と同じ経路をたどっている。
スービック・レジャーは、ユニバーサルがマニラ湾の埋立地を購入し、カジノリゾートを建設する構想を発表してからほぼ1カ月後の08年9月に登記されている。英領バージン諸島の法人は取締役や株主の名前を公開する必要がなく、資金が誰に対して何の意図を持って流れたのかは、分かっていない。しかし、複数の関係者は「スービック社は、ソリアーノ氏が関与している会社」と述べている。
<アロヨ大統領が許可>
ユニバーサルがカジノリゾートの拠点を設けるためにマニラ湾に土地を購入したのは08年。同時にカジノの暫定的な運営許可も取得したが、複数の元社員によるとユニバーサルは税の減免や、100%外資企業でもカジノ事業が認められる特別認可を得るために、ロビー活動を継続した。いずれも10年3月にアロヨ大統領(当時)によって認可が下りたが、そのタイミングは資金がソリアーノ氏や「スービック・レジャー」に流れ出た時期と重なっている。さらにこのころ、買収した土地をめぐり、一部所有権の問題を抱えており、地元自治体などと協議していたことも分かっている。
マニラでソリアーノ氏を知る関係者によると、同氏はフィリピンの政官界と実業界をつなぐフィクサーとして知られている。マニラ市内の高級ゴルフクラブを拠点に、政治家、役人、実業家にネットワークを広げていたという。
複数の関係者によると、ソリアーノ氏はPAGCORのヘニュイーノ前会長の「私的秘書のように振る舞っていた」といい、同氏が辞任を発表した10年6月の1週間前には、ユニバーサルが最大株主となっていたラスベガスのカジノホテル、ウィン・リゾーツがマカオで運営するウィン・マカオに共に滞在。ユニバーサルの資料によると、費用は同社が負担した。アロヨ氏の夫とも09年11月、ラスベガスのウィン・リゾーツを訪れている。この費用もユニバーサルが支払った。
ソリアーノ氏とヘニュイーノ前会長はともに、2010年5月のフィリピン選挙の候補者にPAGCORの資金を提供したとして、別の贈賄、汚職容疑で訴えられている。アロヨ氏は今年10月、大統領在任中に宝くじの基金を横領したとして逮捕されている。
その一方でソリアーノ氏は、岡田会長とは2000年代に入ってから関係を深めており、面談のために東京のユニバーサル本社をしばしば訪ねる間柄だった。岡田氏がフィリピンを訪問する際には、ホスト役を引き受けていたほか、ユニバーサルがマニラ湾で建設しているカジノリゾートを推進する現地法人の株主に名を連ねていたこともある。かつてユニバーサルと契約していたフィリピンの弁護士、マニュエル・カマチョ氏はロイターの取材に対し、「ソリアーノは岡田氏そのもの。彼は岡田氏のために動いていた」と語った。
現在までに、ソリアーノ氏のコメントは得られていない。記者がソリアーノ氏のマニラの自宅を訪ねたところ、同氏はそこには住んでいないという。連絡先も得られなかった。
ユニバーサルは2014年の開業を目指し、フィリピンのマニラ湾沿岸に総工費20億ドルの巨大カジノリゾートを建設中。45ヘクタールの敷地にカジノ施設のほか、計2050室のホテルを3軒、ガラス製のドームに覆われた人工ビーチなどを併設し、中国をはじめアジア各地から観光客を呼び込もうとしている。
「計画が止まることはありえないだろうが、説明責任は果たす必要がある」と、フィリピン政府にユニバーサルの計画の差し止めを求めている下院議員、テオドロ・カシーニョ氏は言う。
<「全部だまされていた」と岡田会長>
支払いが岡田会長の指示や許可のもとで行われていたかどうかは分かっていない。ユニバーサルは元社員らを相手取り、香港の会社を通じて許可なく送金したとして複数の訴訟を起こしている。ロイターがユニバーサルにコメントを求めたところ、代理人弁護士の荒井裕樹氏に連絡するよう指示されたが、11月16日時点で弁護士事務所からコメントは得られていない。
岡田氏は、アルゼUSAを通じてユニバーサルが筆頭株主となっていた米カジノ大手のウィン・リゾーツとの関係で、ウィン側が今年2月、同氏がフィリピンと韓国のカジノ当局者らにホテル代など11万ドル相当の便宜を図ったとの調査報告書を公表した。ウィン側は、米国の海外腐敗防止法に抵触する恐れがあるとし、ユニバーサルが保有するウィン株20%を、市場価格を3割下回る19億ドルで強制的に買い戻した。一方、岡田氏も今年1月、ウィンが行ったマカオ大学開発基金への1億3500万ドルの寄付が不適切だとして、情報の開示を求めて提訴。株式の買い戻しに対しても反訴している。
今年10月、ウィン・リゾーツとの関係について香港でロイターの取材に応じた岡田氏は、自身が把握していなかった行為で会社に損害を与えた社員は訴えると主張している。岡田氏は「2011年になって、過去を振り返ってみると全部だまされていたことに気付いた。人を信じて間抜けだなと思う」と語り、ユニバーサルの業務執行の詳細は把握していなかったと主張した。ウィンの筆頭株主を追われたのは、マカオ大学開発基金の問題を指摘したからだとしている。ソリアーノ氏に対する資金提供疑惑はこの取材時には浮上しておらず、ロイターも質問していない。
元社員らに対する訴訟の一つとして、ユニバーサルは8月20日、アルゼUSAの元東京支社長を相手取り資金支出に関連した損害賠償請求の訴えを東京地裁に起こしている。訴状で、ユニバーサルは、送金先は明らかにしていないものの、2010年5月に三菱東京UFJ銀の外貨預金口座から500万ドルの海外送金があったことを認めたうえで、元支社長が「独断で本件出金を実行した」と主張。これに対し元支社長は裁判所に提出した答弁書で、「もっぱらアルゼUSA取締役社長であり原告取締役会長でもある岡田和生氏の指揮命令の下に業務に従事していた」と訴えている。
元支社長はロイターの取材に対しコメントを控え、同氏の弁護士も係争中だとしてコメントをしなかった。
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