「洞爺湖万世閣ホテルレイクサイドテラス」「登別万世閣」「定山渓万世閣ホテルミリオーネ」を経営していた(株)KHコーポレーション(旧商号:(株)万世閣)が2月15日に札幌地方裁判所へ特別清算を申請した。
1941年創業で北海道を代表する温泉地にホテルを経営し、ピーク時の1999年12月期の年売上高は74億9千万円、2006年12月期は約60億円を計上していたが、リーマンショックを挟んだ2010年12月期は約49億2千万円、2011年12月期は約43億円まで落ち込み、当期損失は9億超となり連続欠損計上による債務超過が膨らんでいた。
この間、2008年の洞爺湖サミット、2010年には金融機関からの借入による改装を行い客数は増加したものの、従業員(元従業員含む)から時間外賃金の支払いを求める訴訟を起こされたほか、パワーハラスメントや解雇をめぐる慰謝料の請求、集団食中毒の発生、東日本大震災などで黒字転換には至らず、さらには取引先への支払遅延の恒常化で対外信用は低下、信用不安が拡大した。
このため、2012年3月に新会社(株)萬世閣を設立し、2012年7月に会社分割を行い運営と金融債務の約半分を継承させ、KHコーポは8月31日に解散を決議していた。(負債は約75億円)
うーん、これってどうなのでしょうか?
一般的に、実質の破綻であれば債権者主導による売却(事業譲渡)での債権回収と新スポンサーによる経営陣の一新です。また新会社が負債の約半分を継承したうえでの負債額約75億円であれば実質の負債総額は約150億円です。
2008年のリーマンショック以降全国的に業績は悪化したが、洞爺湖サミット景気による業績向上に乗じ借入による改装を行い、改装後連続の損失決算で僅か2年後に債務超過で金融債権・債務の約50%をカットし、経営体制は維持。
再生と言うよりは金融機関の内部処理によるホテルオーナーの延命措置と言ったところでしょうか。信用不安拡大の要因に配慮すれば、経営陣の一新がなければ事業再生とは言い難く、財務担当者はメインバンクより送り込まれていると思いますが、最も重要である運営上のソフト分野の課題・問題点の解決・克服が厳しい。
因みに、グループとして(株)ハマノホテルズがあり「定山渓グランドホテル瑞苑」「福寿苑」「佳松御苑・吉兆」「旭岳万世閣ホテルベアモンテ」「旭岳万世閣ホテルディアバレー」を経営していますが、新会社の継承した約50%の債務保証をしたのでしょうか?
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